ヤケモンと挑むトリックホリック、その反省会場
公式の定めた『こわい(?)』ポケモン達が集う大会イベント、トリックホリック。
WCS2018を視聴し、懐かしいポケットモンスターの世界へと復帰した私にとってはこれ以上ないタイミングで催されたこのイベント。せっかくなので自分なりのゼンリョクで挑もうと、様々な作戦を立ててはボツにし続けた。
追い風展開やトリル展開、太鼓ペロリーム、バクオング、重力催眠・・・家でも外でも注文したラーメンを待っている時間も色々考えていたが、いざ一つのPTを完成させようとするとなかなか纏まらず、せっかく途中まではめこんだパズルのピースをひっくり返すような事を繰り返した。
そして最終的に、一応の形で落ち着いた戦法と選び抜いた自慢のポケモンたち、それは
役割論理の頼もしいヤケモン達であった。一軍と二軍それぞれ一匹ずつしかいねぇ
私は元々補助技の使い方や全抜きを勝ち筋としたゲームメイクが大変苦手であり、サイクル戦での負担を重視する役割論理が最も戦いやすいと感じる性質なのでこうなるのは必定だったのだろう。
お馴染みのヤケモンこそ少ないが実家のような安心感がある。
個別ヤケモン紹介
ヤオガエン@拘り鉢巻 威嚇 意地っ張り
201-183-110-x-112-80 (244-252-0-0-12-0)
高めの耐久と火力を併せ持ち、威嚇持ちの炎/悪という言わずと知れた頼もしいヤケモン。
霊に耐性を持ちつつ妖に弱点を突かれない優秀なタイプと、威嚇+とんぼ返りによってミミッキュをどうにかこうにかしてもらう。当然選出率は物凄く高い。
論理的には美しくないが対面での殴り合いで倒せるポケモンが多く、構築選出共に未熟な自分を何度も救ってくれた。威嚇の存在もあり基本的に腐らないので本当に強い。
技について
テンプレヤオガエン。
不一致での格闘技や電気技はこのルールでは特に必要ないので自然とこの四つに収まる。
悪技は叩き落とすorDDラリアットとなるが、イーブイを叩く際に都合の良いDDラリアットを選択した。
持ち物について
ガオガエンZと迷いに迷ったが今回は拘り鉢巻での採用。
後続としてミミッキュが来た際にとんぼ返りが撃てず少々困る事はあったものの、一貫性重視で撃った地震でドヒドイデを沈める場面がとても多かったのでこれはこれで良かったかもしれない。
ヒートヤトム@木炭 浮遊 控えめ
157-x-127-172-128-106 (252-0-0-252-4-0)
雷/オーバーヒート/目覚めるパワー氷/ボルトチェンジ
炎電気+浮遊という独特の耐性を持つヤケモン。今回採用した唯一の一軍。
ドヒドグライを崩す事と、デンジュモクを相手取る事、ギルガルドを焼く事。そしてミミッキュZ一点読みで受け出したりする事が主な任務となった。
物理に偏重したこのYTでは貴重な特殊火力で選出機会はそれなりに多いが、アーゴヨンの起点にならないよう注意が必要。ボルトチェンジが刺さっていてもアーゴヨン入りには先発では出せない。
技について
テンプレヒートヤトムそのまま。
持ち物について
達人の帯をヤテルグマが持っていってしまったので、デンジュモクを焼き払う木炭。本来拘り眼鏡を持たせるべきではあるが自分の低いプレイングスキルでは色々失敗しかねないので拘るのは避けたかった。
しかしいくら対デンジュモクで実際に役立ってくれたとはいえ、木炭というチョイスはあまりにも微妙すぎた気がする。命の球でも持たせた方が良かったのでは。
ヤテルグマ@達人の帯 もふもふ 意地っ張り
197-194-131-x-80-80 (12-252-244-0-0-0)
馬鹿力/地震/冷凍パンチ/シャドークロー
トリックホリックではノーマル打点よりも技範囲を広げるべきと考えメガトンキックを忘れたヤテルグマ。優秀な4つの技を打ち分け弱点を狙う。
もふもふによる接触技への耐久力は圧倒的で、A3段階上昇したミミッキュのじゃれつくをも受け止めて返しのシャドークローで沈めた脅威のクマさん。Z技を強く誘うので、交代ですかしたりして浪費させれば後は流れで押し切れるようになる。
もふもふ由来の非常にユニークな擬似耐性、そしてグライオンへの明確な打点を持ちながら帯地震でドヒドイデを突破出来る火力と範囲を持つので物理アタッカーとしてとても使いやすかった。
技について
前述の通りメガトンキックを切りその分範囲を目一杯広げた。
メインの馬鹿力、呼ぶドヒドイデを吹っ飛ばす地震、グライオンへの冷凍パンチ、ミミッキュ&マーシャドーへのシャドークロー。この四つの技でトリックホリックで見かけるほとんどのポケモンに大きな負担をかけられる。
持ち物について
広範囲に技を撃ち分けつつ高火力を押し付ける達人の帯。とても使いやすいアイテムだった。
しかし弱点保険ギルガルドに当たり後悔する事が二度もあったので、ジメンZが正解だった感は拭えない。持ち物の選択ミスによって明確に勝ちを逃した悔しい試合である。
ヤランブル@ゴツゴツメット 威嚇 意地っ張り
197-189-95-x-81-65 (252-252-0-0-4-0)
実数値は色々足りないものの威嚇と格闘耐性 、そしてじゃれつく+地震による高い攻撃性能が特徴な元ノーマルポケモン。
マーシャドー対策として選出率はそれなりに高めで、狙い通りに対処を行う事が出来た。以前より一度使ってみたかったヤケモンなので活躍機会が多かったのは嬉しい。
しかし数字自体があらゆる方面で厳しい。物理耐久は威嚇前提でなんとかギリギリであり、特殊耐久はかなり低い。そしてついでに役割を持ちたいガオガエンやキテルグマといった低速物理アタッカー連中よりも更にもう一段下の素早さラインというのも気になるところ。
今回のように限定ルール内で刺さっていない限り、ヤケモンとして常用するのはやはり厳しいのだと実感した。技の範囲自体はかなり優秀なので色々と惜しいポケモンである。もう一段階進化してくれれば相当強くなりそうなのだが・・・
技について
妖+地の相性補完はとても優秀で、妖を半減する炎毒鋼をタイプ上は完璧にカバーしてくれる組み合わせとなっている。
じゃれつくと地震で攻撃面がほぼ完結しているので残り二枠はヒートロトム意識のストーンエッジ、技スペースが余ったので寝言を入れたがどちらも全く使わなかった。
入れ替えるとしたらグライオンに刺せる冷凍パンチあたりだろうか。インファイトや炎のパンチ、ワイルドボルトはこのルールでは使いどころが殆ど無い。
持ち物について
マーシャドーのタスキを潰し確実に狩る為にゴツゴツメットを選択。
直接的な火力強化ではない為に、やたらと呼ぶドヒドイデを地震で確定2にする事は出来ないが、確実に役割を遂行出来るのでこれで良かったと感じている。
ヤガイアス@イワZ 砂起こし 意地っ張り
191-205-150-x-102-45 (244-252-0-0-12-0)
ウルガモスやクロバット、オニゴーリに強い為採用した岩ヤケモン。出られないヤンギラスの代わりとしては十分すぎるほど活躍してくれた。
ミミッキュが居ないor先発ミミッキュが無さそうなPT相手にはタスキ潰しと様子見を兼ねて先発で出す機会がそれなりにある。
役割放棄であり論理的に美しくないが対面で殴り勝てるポケモンは非常に多く、サイクル戦において危険極まりないサザンドラやアーゴヨンを強引に沈める事も出来る。
総じて1:1交換性能に長けているので使いやすくはあったが、論理としていかがなものかという立ち回りになりがちなポケモンだった。攻撃面も岩技一辺倒なので単タイプの苦しいところがモロに出ているようだ。
迷ったら選出するというくらいには強かった、強かったのだが・・・やはりヤケモンとは言い難い。通常レギュレーションでは素直にヤンギラスを使おう。
技について
ストーンエッジと地震は確定として、オニゴーリに強く出られるロックブラスト。馬鹿力とヘビーボンバーは使用機会が少なそうなので寝言を採用。10万/めざ地orシャイン/催眠/蛍火のデンジュモクは狩れる。
持ち物について
オニゴーリの守るに合わせて削ったり、使いきりの必中超火力として使い勝手が良いイワZを選択。特に言う事無し。
オニシズクモ@神秘の雫 水泡 意地っ張り
175-134-113-x-152-62 (252-252-4-0-0-0)
アクアブレイク/飛びかかる/吸血/寝言
個人的にお気に入りのポケモン。水技の通りが全体的に良い事と、ウルガモスが暴風ではなく鬼火やサイコキネシスに技を割くだろうと予想した事により採用。
飛びかかるでAを下げながらミミッキュの皮を剥がすプレイングもあるらしいが、剣舞→Zを食らうと消し飛ぶので剥がした後はヤオガエンに引く必要がある。しかし、先発で出し辛い事が多くミミッキュと対面する事はついぞ無かった。
予想通りヒコウZをぶっ放してくるようなウルガモスには(たまたまかもしれないが)当たらず、安定して役割を持つ事が出来た。他にも先発ヤオガエンが対面したサメハダーにも当てていける。サメハダーは地味に厄介なポケモンなので、吸血で回復しつつ対処出来るのはありがたい。
サザンドラに対して大地の力の一貫を切りながら殴り合えるヤケモンなのもポイント。
しかし実際の選出率はYT内で最も低い結果となった。デンジュモクやロトムといった強力な電気ポケモンが多く見られ、かつ電気技が一貫しやすい環境が逆風となった。
技について
アクアブレイクは確定。
意地っ張りヤニシズクモの選択肢としては吸血、飛びかかる、噛み砕く、寝言。
波乗りや吹雪も選択肢ではあるがこちらを採用するならば勇敢の個体を用意しなければならない。
今回は意地っ張り個体での採用(勇敢個体が居なかった)となったので、若干の回復ソースとなる吸血と、ミミッキュ他に当てると美味しい飛びかかるを両採用。
残り一枠は寝言か噛み砕くとなるが、草/霊ピンポイントの噛み砕くよりは寝言が良いだろうと判断し寝言に決定。
持ち物について
拘り鉢巻を既にヤオガエンが持っていたので、水技の一芸を伸ばす神秘の雫。
2Z構築を避ける形となったがミズZでも良かったかもしれない。
多かった選出
+
基本選出という形で定めてはいなかったが、やはり先発ヤオガエンが殆どとなった。
ミミッキュの入っているPTにはどうしてもヤオガエン安定で、アーゴヨンなどの退くとまずい連中と対峙しても大体なんとかしてくれる頼もしい相棒となってくれた。
裏には二枚目の威嚇でありマーシャドー入りにはほぼ確定選出となるヤランブル。威嚇タッグであり格闘をヤランブルが受けてくれるのでなかなか扱いやすい組み合わせだった。
++
ドヒドグライに対しヤテルグマが強引に突破を図れるこのパターンも多かった。
飛行や炎をヤガイアスが受け止めイワZで壊滅的な負担をかけていく。ただし鬼火ミミッキュや鬼火ロトム+ドヒドグライでヤテルグマが火傷するとかなり辛い。
+or+or
ミミッキュが居ないPTには先発ヤガイアスやヒートヤトムも動きやすかった。ただしアーゴヨン入りにヒートヤトム先発は詰みルートなのでアウト。
戦績と反省点
21勝16敗の最高レートは1631止まりというなんともへっぽこな結果となってしまった。
しかしマーシャドーやダークライなど普段戦える機会の無いポケモンを相手にする貴重な経験を得る事が出来たしそもそも当初は勝ち越せるかどうかすら怪しかったので概ね満足である。(といっても勝ち星には旅パの謎外国人も2戦ほど含んでいるのだが)
何よりも久しぶりにヤケモン達と共に戦う事が出来てとても楽しかった。
反省点に移ると、十何戦か行った後にようやく気付いた大きな大きな欠陥がこのYTには存在する。ある特定のメジャーなポケモンがあまりにも重過ぎるのだ。
そのポケモンとは...
こいつだ。
このYT、ウォッシュロトムがとにかく重い、重すぎる。
水+電気の範囲に更には鬼火まで覚えるこいつに対し役割を持てるヤケモンが気付けば不在となってしまったのだ。
水ロトムを採用している相手からしてみても一目で(こいつ水ロトムどうしてんだ?)と思われるような構成なのでとにかくこいつを呼ぶ。大きな圧力でありボルチェンもあるので大体先発でゲロ重いこいつが出てくる。
先発でこちらもヤガイアスを合わせイワZを叩き込むくらいしか突破手段が無いのだがなかなか大人しく食らってはくれない。
今回のルールで積極的に採用出来る草ヤケモン候補は霊弱点のダダリン、メガを禁じられたユキノオー、ヤシギバナの代替としてラフレシア、FCロトム他形態を押しのけて採用となるカットロトム。
ヤニシズクモが残念ながら選出機会が少なく、また対ウルガモスもヤガイアスに任せられるので、代わりにこれら草ポケモンのどれかを採用すべきだったのかもしれない。
10/31追記
もしくは、ロトムに相当強く出られて大きな負担をかけられるヤザンドラを入れてもよかったのかもしれない。
ヤザンドラは最初期段階では採用する予定だったのだが、デンジュモクのマジカルシャインを恐れ急遽取りやめてしまった。選出機会の少なかったヤニシズクモよりも補完として優先的に入れるべきだったと反省。
そして辛かったのは弱点保険を持った悪魔、ギルガルドも辛い。
ヤテルグマにジメンZを持たせてさえいれば、役割を持てたのだが。
悠長なキングシールドで様子を見てくる者も多かったのでヒートヤトムを的確に繰り出し焼き払う必要がある。
最後に、タスキを持ったウツロイドもなかなか厄介であった。
砂嵐でタスキを崩せないので行動回数を確保されてしまい場作りや強烈な攻撃を仕掛けてくる。
特殊分類の岩技は通りがよく、パワージェムを連打されるだけでもかなり苦しい。トリックホリックではサイコキネシスを採用している個体も見られるのが更に厄介。
削れたヤケモンをビーストブーストの餌として狩っていくかわいい悪魔なので警戒が必要なのだが、ただでさえキツいアーゴヨンなどの裏から出てくると正直どうしようもない場面が多かった。
そして構築以上にプレイングに関しての反省点は尽きないほどありとても列挙しきれないほどとなる。
キリキザンに対しヤテルグマではなく何故かヤニシズクモを投げ叩き落とすで突破されたり、マーシャドーから威張るを貰ったヤランブルを居座らせシャドースチールでA+2されたり・・・適切に行動していればもっと活躍出来たはずのヤケモン達にこれでは申し訳が立たない。不甲斐ないトレーナーを許してくれ。
終わりに
もしここまで読んでくださった方が居れば、とてもとてもありがたい事です。
真面目な構築記事ではなくただの素人一個人の反省会という形ですが、トリックホリックが楽しかったので記念に何か残しておきたいという事で初めてポケモン記事を書かせて頂きました。
それでは、重ねてになりますがここまで読んでいただいて本当に、本当にありがとうございました。